Q:妊婦では無呼吸許容時間がなぜ短くなるのか?

A:妊婦では巨大化した子宮が横隔膜を頭側に挙上して、横隔膜を介して肺を圧迫しており、酸素リザーバーである機能的残気量(FRC)が減少している。立位で 20%、仰臥位で 30% 減少するとされている。

また、胎児とともに胎盤を栄養するために代謝が亢進しており、酸素消費量が増大している。妊娠末期で酸素消費量は 60% 上昇している。呼吸回数はやや増加し(+10%)、一回換気量は末期では 30~40% 増加して、呼吸負荷は増加している。
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このスパイログラムは、一見すると肥満患者のそれによく似ているが、一回換気量(TV)が増大しているのと、予備呼気量(ERV)だけではなくて、残気量(RV)もともに低下して、FRC の減少に寄与している点が異なる。

したがって、妊婦とくに、妊娠末期では、FRC の低下と代謝亢進が相まって、無呼吸時、急速に低酸素血症をきたす。

病的肥満の場合には、ファウラー位や、坐位が、FRC を増大して、無呼吸許容時間を延長させることが知られているが、妊婦の場合にもこれが当てはまるかどうかは、現在はまだ定かではない。

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