乳児期の全身麻酔・覚醒下区域麻酔(GAS)後の 5 歳での神経発達転帰:多施設共同無作為化等価試験

・実験動物では、ほとんどの全身麻酔薬への曝露は、神経細胞死と異常行動・認知によって症状を呈する神経毒性を招く。いくつかの大規模なヒトコホート研究は、若年期の全身麻酔とそれに続く神経発達障害の間の関連を示しているが、これらの研究はバイアスが生じがちである。他の研究者らは関連性に対するエビfデンスを見い出していない。著者らは、乳児期初期の全身麻酔が神経発達転帰に影響を与えるかどうかを立証することを目的とした。

・オーストラリア、イタリア、アメリカ、イギリス、カナダ、オランダ、ニュージーランドの 28 施設の病院で実施されたこの国際的評価者盲式等価無作為化比較試験で、著者らは、以前に全身麻酔を受けたことがなく神経障害の危険因子がなく、妊娠 26 週以上で生まれ、鼠径ヘルニアを受けた、月経後 60 週未満の乳児を登録した。患者は、ウェブベースの無作為化サービスを使用して、覚醒下区域麻酔か、またはセボフルランベースの全身麻酔のいずれかを受けるよう、1:1 に無作為に割り当てたられた。麻酔科医は群割り当てを知っていたが、神経発達評価を実施した人には知らされなかった。両親は希望があれば幼児の群割り当てについて知らされたが、評価者にはこの情報を知らせないように言われた。主要評価項目は、5 歳時のWechsler Preschool および Primary Scale of Intelligence の第 3 版(WPPSI-III)における完全な知能指数(FSIQ)であった。主要な分析は、出生時月齢に合わせて調整されたプロトコルごとに行われ、欠測データを埋めるために複数の代入が使用された。治療意図分析も行った。平均点の差 5 点を臨床的同等性マージンとして規定した。

・2007 年 2 月 9 日から 2013 年 1 月 31 日までの間に、4023 人の乳児がスクリーニングされ、722 人が無作為に割り当てられた:覚醒下区域麻酔群に 363 人(50%)、全身麻酔群に 359人(50%)。覚醒下区域麻酔群では 74 回のプロトコル違反があり、全身麻酔群では 2 回のプロトコル違反があった。プロトコルごとの分析のための主要評価項目データは、覚醒下区域麻酔群の 205 人の小児と全身麻酔群の 242 人の小児から得られた。全身麻酔持続時間の中央値は 54 分(IQR 41-70)であった。平均 FSIQ スコアは、覚醒下区域麻酔群で 99.08(SD 18.35)、全身麻酔群で 98.97(19.66)であり、平均値の差(覚醒下区域麻酔 - 全身麻酔) は、0.23(95%CI -2.59~3.06)であり、同等性の強いエビデンスを提供するものである。治療意図分析の結果は、プロトコルごとの分析の結果と同様であった

・小児期早期の 1 時間足らずの全身麻酔は、主に男性の研究対象集団では、覚醒下区域麻酔と比較して、5 歳時点での神経発達転帰を変化させない。

[!]:幼少期の 1 時間前後の全身麻酔では、その後の神経発達には影響はなさそうだと。

【出典】
Neurodevelopmental outcome at 5 years of age after general anaesthesia or awake-regional anaesthesia in infancy (GAS): an international, multicentre, randomised, controlled equivalence trial
THE LANCET VOLUME 393, ISSUE 10172, P664-677, FEBRUARY 16, 2019

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