脊椎麻酔下の下肢手術患者の術後疼痛に及ぼすクモ膜下ミダゾラム 2mg vs フェンタニル 20μg

・脊柱管ブロックの質を改善したり、脊椎麻酔中の鎮痛持続時間を延長するために、クモ膜下補助薬が局所麻酔薬に添加される。クモ膜下に使用すると、フェンタニルはブピバカイン単味と比較して脊髄遮断の質を改善し、短期間の術後鎮痛をもたらす。補助薬としてのクモ膜下ミダゾラムが使用されてきており、脊椎麻酔の質を改善し術後鎮痛持続時間を延長することが示されている。ブピバカインに添加したクモ膜下フェンタニルと、ブピバカインに添加したクモ膜下ミダゾラム 2mg とを比較した研究は行われていない。

・研究の目的は、脊椎麻酔下に下肢整形外科手術を受ける患者で、術後疼痛に及ぼす 0.5% 高比重ブピバカイン 2.6 ml に加えたクモ膜下ミダゾラム 2mg とクモ膜下フェンタニル 20μg の効果を比較することであった。脊椎麻酔下に下肢整形外科手術を受けた合計 40 人の患者を 2 群に無作為に割り付けた。1 群:0.5% 高比重ブピバカイン 2.6mL にフェンタニル 0.4mL(20μg)を添加、2 群:0.5% 高比重ブピバカイン 2.6mL にミダゾラム 0.4mL(2mg)を添加。

・効果的な鎮痛持続時間は、フェンタニル群(342.6 分)と比較して、ミダゾラム群(384.05 分)の方が長かった。有意差はなかった(P=0.4047)。効果発現までの時間は、フェンタニル群の 13.2 分と比較して、ミダゾラム群 17.1 分と有意に遅かった(P=0.023)。安静時の視覚的アナログスコアは、フェンタニル群 6.35 と比較して、ミダゾラム群(5.55)の方が有意に低かった(P=0.043)。

・本研究の結果に基づくと、下肢整形外科手術を受けた患者でクモ膜下補助薬フェンタニル 20μg と比較して、クモ膜下ミダゾラム 2 mg の有効鎮痛持続時間に有意差はなかった。

[!]:クモ膜下ミダゾラムで、フェンタニルと同様に、悪心嘔吐が少なくなったり、鎮痛持続時間が長くなるのなら、麻薬処方箋の必要のないミダゾラムの方が使いやすいかも。それに、フェンタニル(0.1mg)202 円 よりも、ミダゾラム(10mg)65 円 の方が安いし。

【出典】
A randomised controlled trial comparing the effect of adjuvant intrathecal 2 mg midazolam to 20 micrograms fentanyl on postoperative pain for patients undergoing lower limb orthopaedic surgery under spinal anaesthesia.
Afr Health Sci. 2016 Mar;16(1):282-91. doi: 10.4314/ahs.v16i1.37.

<関連記事>
クモ膜下ミダゾラムの脊椎麻酔における効果:前向き無作為症例対照研究

婦人科手術で、クモ膜下ミダゾラムがブピバカイン脊椎麻酔の特性と術後鎮痛に及ぼす効果

下肢手術を受ける患者でクモ膜下フェンタニルの鎮痛作用増強におけるクモ膜下ミダゾラムの有効性

スフェンタニルの補助薬としてのクモ膜下ミダゾラムによる分娩時痛の軽減

クモ膜下ミダゾラムの脊椎麻酔における効果:前向き無作為症例対照研究

泌尿器科内視鏡手術に際して、クモ膜下ミダゾラム vs フェンタニルの有効性

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 3

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック