下肢手術のためのロピバカインへの補助薬としてのクモ膜下ミダゾラムとフェンタニルの比較研究

・今回の前向き無作為化二重盲式試験では、クモ膜下ミダゾラム vs フェンタニルを高比重ロピバカインに加えた場合、高比重ロピバカインによって生じる脊髄遮断の持続時間と質に及ぼすそれぞれの効果を評価しつつ、臨床的有効性を比較するために計画された。

・本研究は、待機的下肢手術を受ける ASA-PS I/II、年齢 20~60 歳の両性の 90 人の患者に対して行われた。患者を無作為に 3 群(各群 30 人の患者)に割り当てた:R 群(対照群)に高比重ロピバカイン 3mL(15mg)と生食(0.9%)0.5mL の全量 3.5mL をクモ膜下投与した。RF 群には 高比重ロピバカイン 3mL(15mg)とフェンタニル(50μg/mL) 0.5mL 25μg の全量 3.5mL をクモ膜下投与し、RM 群には 高比重ロピバカイン 3mL(15mg)とミダゾラム(2mg/ml) 1mg 0.5mL の全量 3.5mL をクモ膜下に投与した。知覚と運動遮断の発現と持続時間、術後疼痛、最初のレスキュー鎮痛剤要求までの時間を記録した。低血圧、徐脈、鎮静、呼吸抑制、掻痒、術後悪心嘔吐について患者を観察した。

・運動遮断の発現時間と持続時間は群間で同程度であったが、知覚ブロック消褪までの時間は R 群と比較してRM 群とRF 群の方が長かった(P<0.001)。術後鎮痛の持続時間は R 群と比較して、RM 群と RF 群の方が有意に長かった(P<0.001)が、RM 群と RF 群間では差がなかった。掻痒と嘔吐の発生率は RF 群の方が高かった。

・下肢手術に際しての脊椎麻酔におけるロピバカインへのミダゾラムの追加は、ロピバカイン単独、またはロピバカインにフェンタニルを併用した場合とと比較してほとんど副作用なしで、知覚ブロックの持続時間を改善し、鎮痛剤必要量を減らすための優れた代替法と考えられる。
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[!]:ミダゾラムのクモ膜下添加は、フェンタニルを添加したのと同様の鎮痛持続時間延長をもたらすが、掻痒や悪心嘔吐といったオピオイド特有の副作用がないのが利点だな。麻薬処方箋も要らないし。

【出典】
Comparative study of intrathecal midazolam versus fentanyl as adjuvants to ropivacaine for lower-limb surgery
Ain-Shams J Anaesthesiol 2016;9:432-9

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