フェイスマスクを介した自発呼吸と高流量経鼻酸素を用いた前酸素化の比較:健常人の前向き無作為化交差試験

・高流量経鼻酸素(HFNO)療法は、挿管前の前酸素化のために提案されているが、得られた呼気終末酸素濃度(ETO2)は不明のままである。研究の目的は、HFNO とフェイスマスクで、3 分間の前酸素化後の ETO2 を比較することであった。

・主要な大学病院の手術室での前向き無作為化交差試験で、50 人の健康なボランティアを対象として、フェイスマスクで 100% 酸素を自発呼吸するか、HFNO を用いて(口を閉じ、加温加湿したガスを 60 l/min で)前酸素化するよう無作為化した。フェイスマスク群では、ETO2 を連続的に測定した。 HFNO 群では、被験者が吸息終了時に息を止めている間に鼻カニューレをフェイスマスクと素早く交換し、そして ETO2 を深呼気後に測定した。ETO2 が 90% に達したとき、またはそうでなければ 6 分でプロトコルを終了した。主要評価項目は 3 分間の前酸素化後の ETO2 であった。副次評価項目は、ETO2 が 90% 以上の参加者の割合と ETO2が 90% 以上となるまでの時間であった。

・3 分間の前酸素化後の ETO2は、フェイスマスク群と HFNO 群で、それぞれ 89(2)% と 77(12)% であった[差 12%(95%信頼区間、95%CI:8~15)、P<0.001)。3 分間の前酸素化の後、フェイスマスク群と HFNO 群で、ETO2 90% 以上であったボランディアの割合はそれぞれ、54% と 4% であった(P<0.001)。6 分間の前酸素化の後、フェイスマスク群と HFNO 群で、ETO2 90% 以上であったボランディアの割合はそれぞれ 96% と 46% であった(P<0.001)。フェイスマスク群では、ETO2 90% を達成するためのハザード比は 5.3(95%CI:3.2~8.9、P<0.001)であった。

・本研究は、HFNO による前酸素化は麻酔導入前の信頼できる前酸素化法ではないことを示している。

[!]:60L/min のネーザルハイフローによる前酸素化は、麻酔マスクによる前酸素化には及ばない、ぴったりフェイスマスクの代用にはならないようだ。麻酔が導入されて呼吸運動がなくなった無呼吸酸素化の段階では役立つのだろうけど。

【出典】
Comparison of pre-oxygenation using spontaneous breathing through face mask and high-flow nasal oxygen: A prospective randomised crossover controlled study in healthy volunteers.
Eur J Anaesthesiol. 2019 Jan 18. doi: 10.1097/EJA.0000000000000954. [Epub ahead of print]

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