心臓手術に際しての揮発性麻酔薬 vs 全静脈麻酔

・揮発性(吸入)麻酔薬は冠状動脈バイパス移植術(CABG)を受ける患者の臨床転帰を改善する可能性のある心保護効果がある。

・13 カ国 36 施設で、実際的な多施設共同盲式対照試験を実施した。待機的 CABG を受ける予定の患者は、揮発性麻酔薬(デスフルラン、イソフルラン、セボフルラン)を含む術中麻酔レジメンか、または全静脈麻酔に無作為に割り当てられた。主要評価項目は 1 年時点での全死因死亡であった。

・合計 5400 人の患者が無作為に割り当てられた:2709 人は揮発性麻酔薬群に、2691 人は全静脈麻酔薬群に割り当てられた。オンポンプ CABG は患者の 64%で 実施され、人工心肺の平均期間は 79 分であった。2 群は、ベースラインでの人口統計学的および臨床的特徴、人工心肺持続時間、グラフト数に関して同様であった。2 回目の中間解析の時点で、データと安全性の監視委員会は、無益なので試験を中止するべきであると助言した。5353 人の患者(99.1%)で利用可能なデータから 1 年後の全死因死亡(揮発性麻酔薬群 2.8%、全静脈麻酔群 3.0%、相対リスク 0.94、95% 信頼区間[CI]、0.69~1.29、P=0.71)、また 5398人の患者(99.9%)で利用可能なデータから 30 日後(それぞれ 1.4% と 1.3%、相対リスク、1.11; 95%CI、0.70~1.76)に関して、群間で有意差は見られなかった。副次評価項目のいずれにおいても、または心筋梗塞を含む予め規定された有害事象の発生率においても、群間に有意差はなかった。

・待機的 CABG を受ける患者の中で、揮発性麻酔薬を用いた麻酔は全静脈麻酔よりも、1 年時点で有意に少ない 死亡をもたらさなかった。

[!]:揮発性麻酔薬には、心保護作用があると言われているが、結局のところ、全静脈麻酔と比較して 1 年後の死亡率には差がなかったと。

【出典】
Volatile Anesthetics versus Total Intravenous Anesthesia for Cardiac Surgery
New England Journal of Medicine Landoni G, et al. March 21, 2019

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