急性低酸素血症性呼吸不全患者の挿管前酸素化に及ぼす非侵襲的換気 vs 無呼吸酸素化を伴う高流量鼻酸素

・非侵襲的換気は、挿管時の重症低酸素血症のリスクを減らすかどうかを判断するために、高流量酸素と比較されたことはない。挿管時の重症低酸素血症のリスクを減らすために、非侵襲的換気による前酸素化が高流量酸素よりも効率的であるかどうかを判断することを目的とした。

・FLORALI-2 多施設非盲式試験は、フランスの集中治療室 28 施設で行われた。急性低酸素血症性呼吸不全(吸入酸素濃度[FiO2]に対する動脈血酸素分圧[PaO2]の比≦300mmHg)に対して気管挿管を受ける成人患者を、前酸素化時に非侵襲的換気か、または高流量酸素に、PaO2/FiO2 比による層別化(≦200 mm Hg vs > 200 mm Hg)して、無作為に割り付けた(1:1、ブロックサイズ、4 名の参加者)。主要な除外基準は、心停止に際しての挿管、意識の変化(グラスゴー昏睡スコア<8 点と定義される)、非侵襲的換気に対する他の禁忌(最近の喉頭、食道、胃の手術、相当な顔面骨折)、パルスオキシメトリーが利用できない場合、妊娠中や授乳中の女性、参加拒否者であった。主要評価項目は、治療意図集団で評価された、手技中の重症低酸素血症(パルスオキシメトリ<80%)の発生であった。

・2016 年 4 月 15 日から 2017 年 1 月 8 日までに、2079 名の患者が 28 の参加施設で挿管され、322 名が登録された。著者らは、データが記録されていない患者 5 人、同意を撤回した 1 人、法的保護下にあった患者 2 人、挿管されていない患者 1人、心停止をきたした患者 1 人を除外した。治療意図分析に含まれた 313 人の患者のうち、142 人が非侵襲的換気に割り当てられ、171 人が高流量酸素療法に割り当てられた。重症低酸素血症は、非侵襲的換気による前酸素化後の 142 人の患者のうち 33 人(23%)、高流量酸素による 171 人の 47 人(27%)に発生した(絶対差 -4・2%、95%CI -13・7~5・5; p=0・39)。中等度から重度の低酸素血症(PaO2/FiO2≦200 mmHg)の 242 人の患者では、重症低酸素血症が高流量酸素よりも非侵襲的換気の前酸素化後に発生する頻度が少なかった(28/117人[24%] vs 44/125[35%]、調整オッズ比 0・56、0・32~0・99、p=0・0459)。重篤な有害事象は治療群間で差はなく、最もよく見られた即時合併症は、収縮期動脈低血圧(非侵襲的換気群で 70 人[49%]の患者 vs 高流動酸素群で 86 人[50%])、胸部 X 線浸潤(28[20%] vs 33[19%])であり、最もよく見られた晩期合併症は 28 日死亡(53[37%] vs 58[34%])、ICU 在室中の人工呼吸器関連肺炎(31[22%] vs 35[20%])であった。

・急性低酸素血症性呼吸不全の患者では、非侵襲的換気または高流量酸素療法による前酸素化は重症低酸素血症のリスクを変えなかった。今後の研究では、ベースライン時の中等度から重度の低酸素血症患者における前酸素化法の効果を調査するべきである。

[!]:呼吸不全患者に対する非侵襲換気とネーザルハイフローによる前酸素化では、その効果に差がないようだ。

【出典】
Non-invasive ventilation versus high-flow nasal cannula oxygen therapy with apnoeic oxygenation for preoxygenation before intubation of patients with acute hypoxaemic respiratory failure: a randomised, multicentre, open-label trial.
Lancet Respir Med. 2019 Apr;7(4):303-312. doi: 10.1016/S2213-2600(19)30048-7. Epub 2019 Mar 18.

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