臍下手術を受ける患者のリンパ球/好中球比に及ぼす麻酔法の効果

・好中球/リンパ球比(NLR)は末梢血中の簡易なマーカーであり、周術期の炎症反応と生理的ストレスを評価するためのパラメーターとして使用される。麻酔法は NLR に影響を及ぼし、それによって炎症反応と手術転帰を変化させる可能性がある。本研究の目的は、臍下手術を受ける患者で血中 NLR と麻酔法との関係を評価することであった。

・施設内倫理委員会の許可と患者の同意が得られた。2017 年 7 月から 2017 年 11 月にかけて、待機的臍下手術を予定された年齢 18 歳から 60 歳までの ASAーPS I/II の患者 80 人を対象とした前向き無作為化二重盲式試験が行われた。拒否した患者、進行中の急性感染症のある患者、電解質異常は研究から除外した。患者は、標準化プロトコルに従って、全身麻酔を受ける G 群と脊椎麻酔を受ける S 群の 2 群に無作為に分けられた。両群において、手術当日の朝の術前、手術 2 時間後、手術 24 時間後に、末梢血の NLR とともに白血球分画数が得られた。データを記録し、そして適切な統計的検定を用いて分析した。

・人口統計学的パラメータと術前総白血球数(TLC)、NLR は同等であった。TLC と NLR は術後 S 群と比較して G 群の方が有意に高かった。術前値からの TLC と NLR の術後増加は、S 群と比較して G 群の方が有意に高かった。

・全身麻酔はくも膜下ブロックと比較して TLC と NLR の有意な増加と関連している。

[!]:NLR は、炎症の程度を表すので、全身麻酔の方が脊椎麻酔よりも全身性炎症が強く起こるということ。脊椎麻酔の場合は、侵害刺激遮断が完璧なので、疼痛を介した自律神経系→免疫炎症反応が起こりにくいが、全身麻酔では脊椎麻酔ほどには完全遮断できないので、こうした反応が起こりやすいということなのだろう。

【出典】
The effect of anesthetic techniques on neutrophil to lymphocyte ratio in patients undergoing infraumbilical surgeries.
Korean J Anesthesiol. 2019 May 17. doi: 10.4097/kja.d.19.00022. [Epub ahead of print]

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