レミフェンタニル注入による全身麻酔導入中のプロポフォールとチオペンタールの血行動態効果の二重盲式比較

・プロポフォールは一般的に全身麻酔(GA)導入に際してレミフェンタニルと一緒に使用される。しかし、それはしばしば低血圧をきたす。術中低血圧は術後有害事象と関連している。対照的に、チオペンタールはプロポフォールと比較して血行動態に対する陰性変力作用が少なく、これは GA 導入中の低血圧を予防するのに適している可能性がある。 著者らは、今回、年齢層別化、無作為化、評価者盲式試験で、ClearSight システムを用いて、非心臓手術におけるレミフェンタニル注入下での GA 導入時のプロポフォールとチオペンタールの血行動態効果を比較した。

・患者を若年群(20~40 歳)、中年群(41~70 歳)、高齢群(>70 歳)に分けた(各群 n=20)。若年群、中年群、高齢群で、レミフェンタニル 0.3μg/kg/分、続いて、それぞれ、プロポフォール(2.0、1.5、1.2mg/kg)か、またはチオペンタール(5.0、4.0、3.0mg/kg)で全身麻酔を導入した。主要評価項目は、各年齢群におけるプロポフォールとチオペンタール投与患者間の平均血圧低下の差であった。副次評価項目には、他の血行動態パラメーターおよび気管挿管後 10 分までに測定された BIS の最小値が含まれた。

・平均血圧の低下は、チオペンタールを投与患者群よりもプロポフォール投与患者群の方が大きかった(それぞれ -45.4 vs -26.6 mmHg と -45.7 vs -28.9 mmHg、P=0.003 と 0.007)のに対して、若年群では有意差はみられなかった(P=0.96)。

・中高年患者におけるレミフェンタニル注入下の GA 導入中の低血圧を避けるために、チオペンタールはプロポフォールよりも適した薬剤である。

[!]:レミフェンタニル併用下の全身麻酔導入時には、中年~高齢患者群では、プロポフォールよりもチオペンタールの方が、循環抑制が少なく適していると。

【出典】
Comparison between hemodynamic effects of propofol and thiopental during general anesthesia induction with remifentanil infusion: a double-blind, age-stratified, randomized study.
J Anesth. 2019 Jun 21. doi: 10.1007/s00540-019-02657-x. [Epub ahead of print]

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この記事へのコメント

silkhat
2019年06月30日 07:21
いつも勉強させて頂いてます。
個人的にはラボナールとエスラックスの混合でライン潰されないように気を使うのが面倒くさいので、殆ど使わないですね。
後は強いて言えば投与量も多いですかね…レミ効かせてればこの半分の量でも十分かなと。結局、寝ればみんな下がるんで、投与量ケチって血圧安定するってイメージは無いですけどね。
JAの日本人採用率が低くて嘆かわしいとchief editorも仰っておられましたので、国内の先生の論文が載ってることはまず嬉しいです。
SRHAD-KNIGHT
2019年06月30日 08:14
silkhat 様、コメントありがとうございます。
おっしゃる通り、オピオイド併用での導入なら、プロポフォール使用量はもっと少なくて済みそうですね。長短時間作用性バルビタールが使用されなくなってきたのには、それなりの理由(副交感神経刺激作用とか、溶解する手間とか、筋弛緩剤との相性・・・)があるので、循環抑制が強いのなら、投与量を加減するするとか、少量の昇圧剤を併用することで十分対処できそうですね。
> 国内の先生の論文が載ってることはまず嬉しいです。
同感です。

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