硬膜外モルヒネは膝関節全置換術後の患者の術後鎮痛を改善する:

・人工膝関節全置換術(TKA)後の患者はしばしば中等度から重度の疼痛をきたす。本研究では、TKA 術後患者で低用量硬膜外モルヒネと、同量生食注射の鎮痛効果を比較した。

・本無作為化二重盲式プラセボ対照試験は、2017 年 7 月 1 日から 2018 年 5 月 30 日まで北京の三次病院で実施された。脊椎硬膜外併用麻酔下に TKA を受けた 110 人の患者は、硬膜外モルヒネ(5 ml の生食に 2 mg を希釈した硬膜外モルヒネ群)か、またはプラセボ(5 ml の生食のプラセボ群)のいずれかを無作為に投与した。全患者に対して、単回大腿神経ブロック注射を行い、補助的な患者管理静脈内鎮痛ポンプが提供された。手術の 6、12、24、36、48 時間後に、疼痛の重症度を数値評価尺度(NRS、0=無痛、10=最悪の疼痛)で評価した。主要評価項目は、術後 48 時間以内の中等度から重度の疼痛(NRS 疼痛スコア 4 以上)であった。

・48 時間以内の中等度から重度の疼痛の割合は、プラセボ群よりも硬膜外モルヒネ群の方が低かった(プラセボ群で 76.4%[42/55] に対して 58.2%[32/55]; OR 0.43、95%CI 0.19 〜 0.98;p=0.042)。さらに、プラセボ群より硬膜外モルヒネ群の方が、48 時間以内の累積モルヒネ消費量が少なく(18.4±6.1 mg vs 22.4±7.3 mg; p=0.002)、30 日後の生活の質の精神成分サマリースコアが高かった(63.8±2.9 vs 61.9±4.2; p=0.008)。

・TKA 後の患者では、単回大腿神経ブロック注射に、硬膜外モルヒネを追加すると、有害事象を増加させることなく、48 時間以内の鎮痛の質を改善する。

[!]:術後硬膜外シリンジの持ち帰りは、硬膜外モルヒネ投与で置き換えることができる症例が多いかもしれないな。

【出典】
Epidural morphine improves postoperative analgesia in patients after total knee arthroplasty: A randomized controlled trial.
PLoS One. 2019 Jul 1;14(7):e0219116. doi: 10.1371/journal.pone.0219116. eCollection 2019.

<関連記事>
膝関節全置換術後の局所浸潤鎮痛とクモ膜下モルヒネの鎮痛効果の比較

脊椎麻酔中のクモ膜下モルヒネは、初回総関節形成術に際しての現代的マルチモーダル鎮痛における役割?

膝関節形成術後の患者でクモ膜下モルヒネ投与による術後疼痛と末梢内因性カンナビノイド濃度の低下

TKA後の術後鎮痛に局所浸潤法 vs クモ膜下モルヒネの比較:無作為対照試験

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント