予定帝王切開分娩後の術中デキサメタゾンの影響:後向き研究

デキサメタゾン2.png・デキサメタゾンは多くの外科手術を受ける患者に有効な鎮痛剤および制吐剤であるが、帝王切開分娩後の疼痛に及ぼす効果はほとんど研究されていない。本研究の目的は、待機的帝王切開後のデキサメタゾンのルーチンの術中投与が疼痛を改善し、術後の悪心/嘔吐を軽減するかどうかを評価することであった。

・脊柱管麻酔下に実施された予定帝王切開分娩の電子カルテデータを、デキサメタゾン 4mg IV の日常的使用を導入した診療の変更前後で入手した。患者は、ルーチンケアを受ける(n=182)か、またはデキサメタゾンを投与された(n=197)かに基づいて分析された。主要評価項目は初回オピオイド使用までの時間であった。副次評価項目には、術後オピオイド消費量、疼痛スコア、術後悪心嘔吐の発生率と治療、満足度、在院期間が含まれた。

・術後初回オピオイド投与までの期間の中央値は、群間で差はなかった。ルーチンケアのみを受けた女性では 5.1[2.1-15.7]時間、デキサメタゾンを投与された女性では 5.3[2.8-21.4]時間であった(P=0.13)。オピオイド使用量、疼痛スコア、術後悪心嘔吐の発生率と治療などの副次評価項目に有意差はなかった。

・360 名を超える患者を対象としたこのインパクトスタディでは、マルチモーダル術後鎮痛処方の設定では、術中デキサメタゾン 4mg をルーチンに IV 投与しても、待機的帝王切開術後の追加鎮痛効果は得られないことが示唆された。もっと大量の投与か、反復投与が術後鎮痛や副作用に影響を与えるかどうか、あるいは、特定の患者サブセットでは利益がある可能性があるかどうかを調査するのには、今後の研究が必要である。

[!]:待機的帝王切開にルーチンのデキサメタゾン投与を追加しても、鎮痛補助効果や PONV 抑制効果はなかったと。

【出典】
Impact of intraoperative dexamethasone after scheduled cesarean delivery: a retrospective study
International Journal of Obstetric Anesthesia Available online 24 June 2019

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