股関節骨折手術後の死亡率と主要合併症率に及ぼす麻酔法の効果:後ろ向き傾向スコア一致ペアコホート研究

・脊椎麻酔(SA)は全身麻酔(GA)よりも生理学的な利点があるが、死亡率の利点に関してのエビデンスは不十分である。股関節骨折手術を受けた患者の死亡率と主要合併症率に及ぼす麻酔法の影響を評価するために、後ろ向き傾向スコアマッチングコホート研究を行った。

・カナダのオンタリオ州トロントにある大学医療ネットワークで、13 年間にわたり股関節骨折手術を受けた患者の臨床データベース、臨床検査データ、転帰データを電子データベースから抽出した。麻酔法は記録されており(SA か、または GA)、主要評価項目は 90 日死亡率であった。副次評価項目には、30 日と 60 日での死亡率、入院期間、肺塞栓症(PE)、出血量、重大な急性心イベントが含まれた。非倹約ロジスティック回帰モデルに従って、傾向スコアのマッチングペア分析を行った。

・同定された 2591人の患者のうち、SA 群の 883 人の患者を 1:1 の比率で GA 群の患者とマッチさせた。SA と低い 90 日死亡率との間には弱い関連性があった(リスク比(RR)0.74、95%CI 0.52〜0.96、99%CI 0.48〜1.00、p=0.037)。SA はまた、PE の発生率の低下(1.3%vs 0.5%、p<0.001)と出血多量(7.7% vs 4.8%、p<0.001)、約 2 日の入院期間の短縮(中央値 11.9 vs 10 日、p=0.024)と関連していた。30 日後と 60 日後での、主要心イベントや死亡率に差はなかった。

・この傾向スコアマッチングペアコホート研究は、SA が股関節骨折手術後の 90 日死亡率の低下と弱く関連していることを示唆している。 SA はまた、PE と出血多量の率が低いこと、短い入院期間によって証明される合併症率の改善と関連していた。本研究の後ろ向き的性質を考慮すると、これらの結果は因果関係があるという証拠にはならない。

[!]:結果的には、全身麻酔よりも脊椎麻酔患者の方が予後が良いが、前向き研究をしないとエビデンスにはならないか。
【出典】
The effect of anesthetic technique on Mortality and major morbidity after hip fracture surgery: a retrospective, propensity-score matched-pairs cohort study.
Reg Anesth Pain Med. 2019 Jul 11. pii: rapm-2019-100417. doi: 10.1136/rapm-2019-100417. [Epub ahead of print]

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