拍動性人工心肺と心臓手術後の急性腎障害の関連: 前後研究

・研究の目的は、拍動性灌流と心臓手術に伴う急性腎障害との関連性を検討することであった。

・三次病院単施設での非対照後ろ向き前後研究で、人工心肺(CPB)による心臓手術を受けた合計 2,489 人の患者を対象とし、拍動性 vs 非拍動性灌流を比較した。非拍動性灌流のデータは、2016 年 4 月 1 日から 2017 年 3 月 31 日までに収集された(n=1,223)。常時拍動性 CPB への診療変更は、2017 年 4 月 3 日に行われた。拍動性灌流のデータは、2017 年 5 月 1 日から 2018 年 6 月 30 日まで収集された(n=1,266)。主要評価項目は、心臓手術後の急性腎障害(AKI)の発生率であった。既知の交絡因子を調整するために多変量解析を行った。副次評価項目には、AKI 病期、脳梗塞、在院日数、死亡率が含まれた。長時間 CPB と慢性腎臓病を用いてサブ群分析を行った。

・主要評価項目である AKI の発生率は、非拍動性対照群と拍動性群間に差はなかった(23.9% vs 25.4%、p=0.392)。拍動群は、多変量解析において AKI と関連していなかった(オッズ比 1.09、p=0.413)。非拍動性群 vs 拍動性群における AKI の病期に差はなかった(病期 1、2、3 についてそれぞれ 13.6% vs 14.9%、2.9% vs 4.3%、7.4% vs 6.1%、p=0.12)。サブ群分析や副次評価項目に差はなかった。

腎障害と拍動性灌流との間に関連性は見られなかった。拍動性灌流と腎障害の軽減との間になんら関連性がないか、あるいは、その差は極めて小さいと考えられる。

POINT心臓手術時の人工心肺を拍動性に変えたが、術後の急性腎障害の発生頻度や重症度に改善はなかったと。
【出典】
The Association Between Pulsatile Cardiopulmonary Bypass and Acute Kidney Injury After Cardiac Surgery: A Before-and-After Study.
J Cardiothorac Vasc Anesth. 2019 May 20. pii: S1053-0770(19)30483-5. doi: 10.1053/j.jvca.2019.05.021. [Epub ahead of print]

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