術後せん妄は、長期的な日常生活動作の低下と関連している

<このトピックについてすでに知っていること>:術後せん妄はよく見られるが、その長期的転帰についてはは不明のままである

<この記事が教えてくれる新しいこと>:登録された患者の約 4 分の 1、平均年齢 80 歳は、主要な待機的かつ緊急の主要な整形外科手術後にせん妄を発症した。2〜3 年後の日常生活動作と 3 年後の死亡率は、ともに、せん妄をきたした患者で不良であった。

・術後せん妄は、高齢の手術患者集団の最もよく見られる合併症の 1 つである。しかし、その長期的転帰についてはほとんど分かっていない。そこで、前向きコホート研究を実施して、術後せん妄と日常生活動作の長期的低下および術後死亡率との関連を明らかにした。本研究の仮説は、術後せん妄は、麻酔および手術後 24〜36 ヵ月以内の、日常生活動作の大幅な低下と死亡率の増加に関連しているというものであった。

<要旨>
ADL.png・全身麻酔下に、(1)大腿骨近位部のネイル挿入、(2)股関節置換、(3)切開整復と内固定の手術を受けた参加者(年齢>65 歳)を登録した。せん妄評価法アルゴリズムは、術前、術後 1 日目、2 日目、4 日目にせん妄を診断するために使用された。日常生活動作は、日常生活活動尺度の中国語版(範囲、14〜56 点)を使用して評価され、術前認知機能は、中国語版のミニ精神状態検査(MMSE)(範囲、0〜30 点)を使用して評価された。日常生活動作と死亡率を含む経過追跡評価は、麻酔と手術の 24〜36 ヵ月後に実施された。

・130 名の参加者(年齢 80±6 歳、男性 24%)のうち、34 名(26%)が入院中に術後せん妄を発症した。追跡できなかった参加者が 32% いたため、88 人の参加者が最終データ分析に含まれた。術後せん妄のあった参加者の方が、術後せん妄のなかった参加者と比較して、日常生活動作の低下が大きく(16±15 vs 9±15、P=0.037)、36 ヵ月死亡率が高かった(8/28、29% vs 7/75、9%、P=0.009)。

術後せん妄は、日常生活動作の大幅な低下や術後死亡率の上昇など、長期的な有害転帰不良と関連していた。
POINT術後せん妄を発症した患者は、長期的な予後も不良である。
【出典】
Postoperative Delirium Is Associated with Long-term Decline in Activities of Daily Living.
Anesthesiology. 2019 Sep;131(3):492-500. doi: 10.1097/ALN.0000000000002849.

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