非心臓手術を受けた輸血患者の初期術後ヘモグロビン値と臨床転帰

輸血中.png・術中赤血球(RBC)輸血はよくあることだが、輸血前のヘモグロビントリガーは急性出血中に利用することが困難であるため、輸血戦略は依然として議論の余地がある。その代わりに、術後のヘモグロビン値は輸血診療についての有用な情報を提供する可能性があるが、最適目標値は依然として明らかではない。

・これは、2010 年から 2014 年までに非心臓手術中に同種 RBC を投与された成人の単施設観察コホート研究である。患者の疾患、検査データの異常、外科的特徴で調整した多変量回帰分析を使用して、初期術後ヘモグロビン値と主要評価項目としての非在院日数との関係を評価した。

・合計 8060 人の患者が含まれた。初期術後ヘモグロビンが <7.5 または ≧11.5g/dL の患者では、9.5〜 10.4 g/dLの基準範囲と比較して、非在院日数が減少した[それぞれ、平均(95%信頼区間[CI])、-1.45(-2.50〜 -0.41)と -0.83(-1.42〜 -0.24)](全体の P 値=0.003)。ヘモグロビン<7.5 g/dLの患者では、副次評価項目のオッズ(95%CI)には、急性腎障害(AKI)1.43(1.03-1.99)、死亡率 2.10(1.18-3.74)、脳虚血 3.12(1.08-9.01)が含まれた。ヘモグロビン≧11.5g/dL の術後人工呼吸のオッズは 1.33(1.07-1.65)であった。副次評価項目との関連性は、多重比較調整後に有意ではなかった(Bonferroni P<0.0056)。

・輸血患者では、術後のヘモグロビン値 7.5〜11.5 g/dL が、より極端な値と比較して転帰が良好であった。この範囲は、特に輸血前のヘモグロビン閾値が実用的でないか、あるいは不正確である可能性のある活動性出血中の術中輸血の目標値を表している可能性がある。この範囲内で転帰が同様であるとするなら、ヘモグロビンをより低値にした方が望ましい可能性があるが、前向きの検証が必要である。

古典的なヘモグロビンの目標値 10g/dL は批判的に評価されていたが、この論文の結果からは正しい目標値と言えるのかな。

【出典】
Initial Postoperative Hemoglobin Values and Clinical Outcomes in Transfused Patients Undergoing Noncardiac Surgery.
Anesth Analg. 2019 Sep;129(3):819-829. doi: 10.1213/ANE.0000000000004287.

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント