低ヘマトクリット値:心臓血管手術後の長時間人工呼吸を必要とする患者の長期転帰の危険因子:後ろ向き研究

赤血球.png・待機的手術を受ける低リスク患者は低ヘマトクリット値に耐えられる可能性があるが、高リスク患者では、高ヘマトクリット値の利点が輸血のリスクを上回る可能性がある。そこで、本研究の目的は、心臓血管術後に長期人工呼吸(PMV)を必要とする患者の死亡率に及ぼす周術期ヘマトクリット値の影響を評価することであった。

・この単施設後向きコホート研究は、2008 年から 2012 年に、日本の横浜にある横浜市立大学医療センターで、人工心肺を伴う心血管手術か、またはオフポンプ冠動脈バイパス移植術を受け、集中治療室(ICU)で 72 時間以上の PMV を必要とした 172 人の患者に対して実施された。患者は、ICU 入室時のヘマトクリット値に応じて分類された:高(≧30%)と低(<30%)群。

・172 人の患者のうち、86 人が低ヘマトクリット群と高ヘマトクリット群にそれぞれ含まれ、ヘマトクリット値の中央値(1〜3 番目の四分位数)はそれぞれ、27.4%(25.4%〜28.7%)と 33.0%(31.3%〜35.5%)であった。生存率の差は、ログランク検定を使用して 2 群間で有意であった(HR 0.55、95%CI 0.32〜0.95、p=0.033)。Cox 回帰分析により、ICU 入室時のヘマトクリット値の 30% 以上の増加は、長期死亡率の低下と有意に関連していることが明らかになった(HR 0.40、95%CI 0.20〜0.80、p=0.0095)。

ICU 入室時のヘマトクリット値の低下は、長期死亡率の増加の危険因子であり、ヘマトクリット値の上昇は、心臓血管術後に PMV を必要とする患者の輸血のリスクを上回る可能性がある。

近年、ウイルス感染などの輸血の危険性は非常に低下しているから、昔ほどに厳しく回避しなくてもよいかも。

【出典】
Low hematocrit levels: a risk factor for long-term outcomes in patients requiring prolonged mechanical ventilation after cardiovascular surgery. A retrospective study.
J Investig Med. 2019 Sep 26. pii: jim-2019-001122. doi: 10.1136/jim-2019-001122. [Epub ahead of print]

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