下肢切断のための区域麻酔の使用は、周術期の昇圧薬の必要性を減らす可能性がある:傾向スコアを一致させた観察研究

下肢切断術.png・下肢切断(LEA)は、術後死亡リスクが高いことに関連している。麻酔の種類が術後死亡率に及ぼす影響は、さまざまな手術で研究されている。ただし、LEA に最適な麻酔法の選択を導くためのデータは限られている。本研究の目的は、LEA を受ける糖尿病および/または末梢血管疾患患者の周術期転帰に及ぼす麻酔の種類の影響を調査することであった。

・2007 年 9 月から 2017 年 8 月までに著者らの施設で LEA を受けた患者の診療記録をレビューした。患者は全身麻酔(GA)か、または区域麻酔(RA)の使用に従って群分けされた。主要転帰は 30 日と 90 日死亡率であった。副次評価項目は、術後合併症率、術中イベント、術後集中治療室入室、術後在院期間であった。傾向スコアを一致させたコホートデザインを使用して、患者の人口統計、併存疾患、内服薬、手術の種類などの潜在的交絡要因を調整した。

・518 人の患者(75% が男性、平均年齢 65 歳)が、膝上切断(1.5%)、膝下切断(1.6%)、より軽度な切断術(82.5%)に際して、(GA)(n=227)か、または RA(n=292)を受けたことが特定された。傾向スコアマッチングの前に、GA と冠動脈疾患(44%[GA]vs 34.5%[RA]、p=0.028)、末梢動脈疾患(73.1% vs 60.2%、p=0.002)、アスピリンとクロピドグレルによる術前治療(それぞれ、68.7% vs 55.1%、p=0.001; 63% vs 41.8%、p<0.001)との関連があった。傾向スコアマッチングにより、GA と RA に均等に分割された 342 人の患者コホートが作成された。30 日(3.5% vs 2.9%、p=0.737)または 90 日(6.4% vs 4.6%、p=0.474)の死亡率や術後合併症率に有意な群間差はなかった。しかし、術後 ICU 入室(14.6% vs 7%、p=0.032)、術中低血圧(61.4% vs 14.6%、p<0.001)、昇圧剤使用(52% vs 14%、p<0.001)は GA の方が RA よりも多かった。

麻酔の種類は、LEA 後の死亡率や合併症率に有意な影響を与えなかった。しかしし、術中低血圧、昇圧薬の使用、術後 ICU 入室率は RA の方が低かった。

区域麻酔を使用した方が、意識を中心とした神経系や心血管系に及ぼす影響が少なくて済むので、循環管理の必要性が少なくて済むのだろう。

【出典】
Use Of Regional Anesthesia For Lower Extremity Amputation May Reduce The Need For Perioperative Vasopressors: A Propensity Score-Matched Observational Study
Therapeutics and Clinical Risk Managemen tPublished 2 October 2019 Volume 2019:15 Pages 1163?1171

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