ノルエピネフリンとバソプレッシン:敗血症性ショックで最初に中止すべき昇圧剤はどれか?メタ分析

バソプレシン6.png・ノルエピネフリン(NE)注入だけでは血圧を上げるのに不十分な敗血症性ショック患者は、バソプレシン(VP)の併用投与が必要である。しかし、現ガイドラインでは、患者の敗血症性ショックが解消し始めたら、どの血管作用薬を最初に中止するかについて臨床医に助言されていない。さらに、NE と VP の併用療法を受けている敗血症性ショック患者の昇圧剤を中止する方法について臨床医を導くデータには議論がある。

・PubMed、EMBASE、Cochrane Central Register データベースは、創始から 2018 年 10 月 18 日まで検索された。研究は、昇圧薬を異なる順序で中止した、NE と VP の併用治療を受けた敗血症性ショックの成人患者に限定された。主要評価項目は低血圧の発生率であった。 全体的死亡率、ICU 死亡率、ICU の在室期間(LOS)は、副次評価項目であった。感度分析とサブ群分析、試験連続解析が実行された。

・1 件の前向き無作為化対照試験と 7 件の後ろ向きコホート研究が今回のメタ分析に含まれた。最初に VP を中止した場合と比較して、NE を最初に中止した場合の方が、低血圧の発生率は有意に低かった(オッズ比、OR 0.3、95%信頼区間、CI 0.10〜0.86、P=0.02、I=91%)。これら2 群間では、全死亡率(OR 1.28、95%CI 0.77〜2.10、P=0.34)や ICU 死亡率(OR 0.99、95%CI 0.74〜1.34、P=0.96)のいずれにおいても有意差は検出されなかった。さらに、ICU LOS も 5 件の研究で評価され、ウィーニング昇圧剤の順序が異なる 2 群間で統計的有意性は観察されなかった(平均差 1.35、95%CI -2.05〜4.74、P=0.44)。サブ群分析は、低血圧とコルチコステロイドの使用率が低い患者で最初に VP を中止する診療行為との間に有意な関連性を示唆した(オッズ比、OR 0.18、95% 信頼区間、CI 0.04〜0.78、P=0.02)。試験逐次分析では、今回の結果から結論を引き出すのに十分なエビデンスがないことが示された(必要な情報サイズ= 11 821)。

VP と NE の併用療法で治療された敗血症性ショックの成人では、最初に VP を中止すると低血圧の発生率が高くなる可能性があるが、死亡率や ICU LOS とは関係ない。より大きな被験者数でのさらなる前向き研究がなされてしかるべきである。

「どっちと決めなくても、両方とも少しずつ漸減したら〜!?」って思うのは私だけ?

【出典】
Norepinephrine vs Vasopressin: Which Vasopressor Should Be Discontinued First in Septic Shock? A Meta-Analysis.
Shock. 2020 Jan;53(1):50-57. doi: 10.1097/SHK.0000000000001345.

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