迅速回復プロトコルを用いた全関節形成術の術後転帰に及ぼす脊柱管麻酔の効果

脊柱管麻酔.png全身麻酔(GA)と比較して、脊柱管麻酔(NA)は、全関節形成術(TJA)後の転帰の改善に関連付けられている。迅速回復プロトコルが確立された施設で、患者の転帰に及ぼす NA の影響を調査した。

・これは、2015 年 7 月から 2018 年 6 月までに行われた 5914 例の連続した初回 TJA についての単施設後ろ向き分析である。単変量検定と多変量回帰を使用して、入院期間(LOS)、輸血率、ヘマトクリット値、退院後の行き先、救急外来受診を GA vs NA を受けた患者で比較した。

NA を受けた患者の LOS の方が有意に短かった(股関節全置換術[THA]:GA 1.74 vs NA 1.36 日、P<0.001、膝関節全置換術[TKA]:GA 1.77 vs NA 1.64 日、P<0.001)。NA を受けた THA 患者と TKA 患者は両方とも輸血を必要とする可能性が低く(THA:GA 5.8% vs NA 1.6%、P<0.001、TKA:GA 2.5% vs NA 0.5%、P<0.001)、術後ヘマトクリット値が高かった(THA:GA 32.50% vs NA 33.22%、P<0.001、TKA GA 33.57 vs NA 34.50%、P<0.001)。NA を受けた患者は、自宅に退院する可能性が高く(THA:GA 83.4% vs NA 92.3%、P<0.001、TKA:GA 83.3% vs NA 86.3%、P=0.010)(THA:NA 調整OR[aOR]2.04、P<0.001、TKA:NA aOR 1.23、P=0.048)、90 日間の救急外来受診率が有意に低かった(THA:NA aOR 0.61、P=0.005、TKA:NA aOR 0.74、P=0 034)。

NA は TKA および THA 後の在宅退院を促進する一方で、LOS と短期合併症、輸血の減少に役立つようである。これらの傾向は、患者固有の危険因子で調整した場合でも一貫しており、NA が年齢、肥満指数、併存疾患の増加した患者の転帰を改善する可能性があることを示唆している。

下肢の全関節形成術に際しては、全身麻酔単独よりも脊柱管麻酔の方がいろいろとメリットが多い。

【出典】
The Effect of Neuraxial Anesthesia on Postoperative Outcomes in Total Joint Arthroplasty With Rapid Recovery Protocols.
J Arthroplasty. 2019 Nov 29. pii: S0883-5403(19)31109-X. doi: 10.1016/j.arth.2019.11.037. [Epub ahead of print]

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