術前に肝トランスアミナーゼ値が上昇した患者における全静脈内麻酔と吸入麻酔間の術後肝機能の比較:後ろ向きコホート研究

肝障害.png肝臓の酵素値が上昇している患者では、麻酔と手術により肝機能が低下する可能性がある。そこで、これらの患者では、肝毒性の少ない麻酔薬を選択することが重要である。

・この後ろ向き的研究では、術前に肝酵素値が上昇している患者(アスパラギン酸トランスアミナーゼ[AST]またはアラニントランスアミナーゼ[ALT]>40 U/L の患者で、全身麻酔下で非肝臓手術を受けた患者の術後肝機能に及ぼす全静脈麻酔(TIVA)と吸入麻酔(INHA)の効果を調査した。術前と術後 24 時間の酵素値の変化を比較した。

・730 人の患者(TIVA:n=138; INHA:n=592)では、ベースラインの特徴は同様であったが、TIVA 群での併存疾患率が高かった。TIVA 群の約 50%(対 INHA 群の 19.7%)が他の手術よりも比較的長い手術時間の神経外科手術を受けたため、麻酔と手術時間の中央値は TIVA 群の方が有意に長かった。術中低血圧イベントと昇圧剤の使用は、TIVA 群の方が頻繁であった。1:4 傾向スコアマッチング後(TIVA:n=94; INHA:n=376)、麻酔時間の延長を除いて、ベースラインの特性と外科的変数は同様であった。一致する前に、術後の AST と ALT の変化は、INHA 群よりも TIVA 群の方が有意に低かった。マッチング後、ALT の変化のみが INHA 後よりも TIVA 後のほうが有意に少なかった[中央値(四分位範囲)、-16.7(-32〜 -4)% vs -12.0(-28.6-6.5)%、P=0.025]。

術前に肝トランスアミナーゼ値が上昇している患者には、TIVA の方が安全かもしれない。

肝臓の代謝負担から考えると静脈麻酔の方が薬物代謝負担が大きくなるような気がするが、やはり吸入麻酔の方が肝障害性が高いのか。

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