インスリン依存性糖尿病患者は、全関節形成術を受けると術後高血糖のリスクが高くなる

インスリン.png・糖尿病患者は、人工関節全置換術(TJA)後に人工関節感染症(PJI)のリスクが高くなる。インスリン依存性と PJI の関係は調査されていない。著者らは、インスリン依存型糖尿病(IDDM)患者の方が、非インスリン依存型糖尿病(NIDDM)患者者よりも、術後高血糖と PJI をきたしやすいかどうかを評価することを目的とした。

・2011 年 1 月から 2016 年 12 月まで TJA(股関節または膝)を受けた糖尿病患者を対象に、後ろ向きレビューが行われた。術前ヘモグロビン A1c と術後血糖値が観察された。患者を IDDM と NIDDM に分類した。各群で、高血糖>200 mg/dL を予測する A1c 値を計算した。主要評価項目は術後高血糖>200 mg/dL であり、副次評価項目は PJI であった。

・包含基準を満たす 773 人の患者がいた。IDDM コホートでは、術前の A1c(6.97% vs 6.28%、P<.0001)と術後のブドウ糖(235.2 vs 163.5、P<0.0001)が高かった。IDDM 患者は、術後高血糖になる可能性が高かった(63.84% vs 20.83%、P<0.0001;オッズ比 5.2、95%信頼区間3.66-7.4)。全体として、A1c>7.45% は術後高血糖>200 mg/mL を予測した(オッズ比、6.94; 95%信頼区間、4.32-11.45)。2 つのコホートを分離した場合、IDDM では A1c>6.59% で、NIDDMでは A1c>6.60% は、術後高血糖のリスク増加と関連していた(P<0.0001)。PJI は 2 コホート間で同様であった(2.52% vs 2.38%、P=0.9034)。

TJA を受ける IDDM 患者は、>200 mg/dL の術後高血糖である可能性が NIDDM 患者より 5.2 倍高くなっているが、本研究では PJI のリスクの増加は見られなかった。IDDM 患者では A1c と術後の高血糖が高いにもかかわらず、IDDM と NIDDM 患者の術後高血糖の A1c カットオフ値に臨床的な差はないことが分かった。

IDDM 患者の方が術後血糖コントロールは難しいだろうなとは予測するが、具体的には 5 倍の確率で、>200 の高血糖をきたす。

【出典】
Insulin-Dependent Diabetic Patients Are at Increased Risk of Postoperative Hyperglycemia When Undergoing Total Joint Arthroplasty
J Arthroplasty . 2020 Apr 30;S0883-5403(20)30470-8. doi: 10.1016/j.arth.2020.04.082. Online ahead of print.

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