■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2020/07/10

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【問題1】(呼吸) 術前絶食と誤嚥について正しいのはどれか?

ア:1999年ASA作成の術前絶食ガイドラインでは、軽食やスナックは4時間前までとしている。

イ:シメチジン(タガメット(R))は肝血流量を減少させて、多くの薬物の代謝を遅らせる。

ウ:ファモチジンは最初に発売されたH2拮抗薬である。

エ:H2拮抗薬は導入の20〜30分前に投与する。

オ:pH<2.5の酸性の液体を0.4ml/kg以上誤嚥した場合、重篤な肺炎をきたす。


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[解説] ア:×:1999年ASA作成の術前絶食ガイドラインでは、軽食やスナック類(クラッカー、パン、流動食)は6時間前までとしている。
イ:○:シメチジン(タガメット(R))は肝血流量を減少させて、多くの薬物の代謝を遅らせる。
ウ:×:シメチジンが最初に発売されたH2拮抗薬である。当然のことながら後発薬物ほど副作用が少ない。
エ:×:H2拮抗薬は導入の2〜3時間前に投与する。20〜30分前に投与したのでは導入時の誤嚥予防には意味がない。
オ:○:pH<2.5の酸性の液体を0.4ml/kg(約25ml)以上誤嚥した場合、重篤な肺炎をきたす。胃内圧>25cmH2Oで逆流が起こりうる。誤嚥は「25・25・25!」



[正解] 解説を参照 [出典] 麻酔科シークレット第2版 p278〜281





【問題2】(麻酔中の問題) 徐脈の原因となるものはどれか。
ア:低酸素血症
ウ:頚動脈洞操作
イ:脊椎麻酔
エ:眼球圧迫

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[解説] 軽度の低酸素症では頻脈がみられるが、高度の低酸素症では徐脈となる。小児で徐脈をみた場合には、まず低酸素血症を除外する。脊椎麻酔や硬膜外麻酔で、交感神経心臓枝(T1−T5)がブロックされれば徐脈となる。頚動脈洞操作や眼球圧迫、外眼筋操作(眼球心臓反射 occulocardiac reflex)で迷走神経刺激が起こると、徐脈になる。逆に、これを利用して、突発性上室性頻脈(PAT)の治療にも用いられる。頚動脈洞に局所麻酔薬を浸潤することで、この反射は抑制できる。


[正解] (全て) [出典] 麻酔科クリニカル問題集



【問題3】(静脈麻酔) 正しいのはどれか?

ア:集中治療でのプロポフォール投与による鎮静の場合、気管内挿管による気道確保は必須ではない。

イ:プロポフォールは、集中治療における人工呼吸中の鎮静においては、小児等には投与しないこと。

ウ:集中治療における人工呼吸中の鎮静目的ではディプリフューザーTCI機能は使用してはいけない。

エ:小児にもディプリフューザーTCI機能を使用してよい。

オ:集中治療における人工呼吸中の鎮静の場合、プロポフォール投与中は、気管内挿管による気道確保を行わなくてはならない。


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[解説] ア×:集中治療における人工呼吸中の鎮静の場合、プロポフォール投与中は、気管内挿管による気道確保を行わなくてはならない。手術中の使用はこの限りではない。
イ○:プロポフォールは、集中治療における人工呼吸中の鎮静においては、小児等には投与しないこと。因果関係は不明であるが、外国において集中治療中の鎮静に使用し、小児等で死亡例が報告されている。
ウ○:集中治療における人工呼吸中の鎮静目的ではディプリフューザーTCI機能は使用してはいけない。ディプリフューザーTCI機能を用いる投与方法は、全身麻酔の導入及び維持における成人の臨床試験成績に基づいて設定されている。
エ×:小児等にはディプリフューザーTCI機能を用いる投与方法を使用してはいけない。ディプリフューザーTCI機能を用いる投与方法は、全身麻酔の導入及び維持における成人の臨床試験成績に基づいて設定されている。
オ○:集中治療における人工呼吸中の鎮静の場合、プロポフォール投与中は、気管内挿管による気道確保を行わなくてはならない。



[正解] 解説を参照 [出典] 1%ディプリバン注−キット添付文書



【問題4】(局所麻酔) 局所麻酔薬について正しいのはどれか。

ア:pKa=8 の局所麻酔薬は、pH=7 の時に、塩基型:イオン型=10:1である。

イ:解離定数は効果発現時間に影響する。

ウ:解離定数の大きい局所麻酔薬は効果発現が早い。

エ:油/水分配係数の大きい薬剤ほと効果が強い。

オ:局所麻酔薬の蛋白結合は効果持続時間に関係する。


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[解説] pKa=8 ということは、pH=8 の時に、塩基型:イオン型=1:1になる。pKa=8 の局所麻酔薬は、pH=7 の時に、塩基型:イオン型=1:10である。解離定数は効果発現時間に影響する。解離定数の大きい局所麻酔薬ほど、pH=7付近では、細胞膜を通過できる塩基型が少ししか存在しないので、効果発現が遅くなる。神経組織はほとんど脂肪なので、油/水分配係数の大きい薬剤ほと効果が強い。局所麻酔薬の蛋白結合は効果持続時間に関係し、結合率が高い薬剤ほど効果の持続時間が長い。


[正解] (イ)、(エ)、(オ) [出典] 「こだわり」の局所麻酔p14〜

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