手術中の高流量経鼻酸素の有効性:系統的レビューとメタ分析

HFNO.png・高流量経鼻酸素(HFNO)は、低酸素血症と呼吸不全の管理のために集中治療室でますます使用されている。ただし、術中の低酸素血症を防ぐための HFNO の有効性は不明である。この系統的レビューの目的は、手術患者の手術期間中に、HFNO と従来の酸素化方との間で患者の酸素化と呼気終末二酸化炭素濃度(EtCO2)を比較することであった。

・創始から 2020 年 2 月まで標準データベースを検索した。以下の 4 つの評価項目のうちの 1 つを伴う HFNO の術中使用に関する研究が含まれた:(1)酸素(O2)飽和度低下、(2)最小酸素飽和度、(3)安全無呼吸時間、(4)EtCO2。術中期間は 2 つのフェーズに分けられた:全身麻酔による導入時と、気管挿管を伴わない鎮静下の手術処置中

・8 件の無作為化比較試験(RCT、4 件の導入時、4 件の手術処置中、2314 人の患者)が系統的レビューとメタ分析に含まれた。術中の酸素飽和度低下のリスクは、従来の酸素化対照群と比較して HFNO の方が低かった。導入時のオッズ比(OR; 95%信頼区間[CI])は 0.06(0.01-0.59、P=0.02)、手術処置中の OR(95%CI)は 0.09(0.05-0.18、P<0 001)であった。最小酸素飽和度は、HFNO の方が従来の酸素化よりも高く、導入時の平均差(MD)(95%CI)は 5.1%(3.3-6.9、P<0.001)、手術処置中の MD(95%CI)は 4.0%(1.8-6.2、P<0.001)であった。導入時の安全無呼吸時間は、従来の酸素化法に対して HFNO の方が長く、MD(95%CI)は、33.4 秒(16.8-50.1、P<0.001)であった。導入時のEtCO2 は、HFNO と従来の酸素化群間に有意差はなかった。

・この系統的レビューとメタ分析は、術中という設定において、従来の酸素化法と比較して HFNO の方がが酸素飽和度低下のリスクを低減し、最小酸素飽和度を増加し、安全無呼吸時間を延長することを示している。低酸素血症のリスクが高い患者では、麻酔導入時と気管挿管を行わない鎮静下の手術処置中に HFNO を検討するべきである。

呼吸不全患者の麻酔導入時や術中の鎮静維持中には HFNO が役立つかもしれない。

【出典】
The Effectiveness of High-Flow Nasal Oxygen During the Intraoperative Period: A Systematic Review and Meta-analysis
Anesth Analg . 2020 Jul 23. doi: 10.1213/ANE.0000000000005073. Online ahead of print.

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