腸管微小循環に及ぼす術中輸液と昇圧剤の効果の比較

・32 匹のラットを無作為に以下の 4 群に分けた。軽麻酔群(LA、0.8〜1% イソフルラン)、深麻酔群(DA、1.5〜1.8% イソフルラン)、輸液 DA 群(1.5〜1.8% イソフルランと輸液補給)、ノルエピネフリン DA 群(1.5〜1.8% イソフルランとノルエピネフリン注入)の 4 群に無作為に分けた。
・240 分後の粘膜の灌流小血管密度(PSVD)は輸液 DA 群とノルエピネフリン DA 群間に有意差はなく[26.2(3.2) vs 28.9(2.5)mm/mm2、P=0.077]、粘膜の組織酸素飽和度は 輸液 DA 群の方がノルエピネフリン DA 群より低かった[48(7) vs 57(6)%、P=0.02]。240 分後の血清筋層の総小血管密度(
TSVD) および PSVD は、輸液 DA 群よりもノルエピネフリン DA 群の方が高かった。輸液剤投与量はノルエピネフリン DA 群よりも輸液 DA 群の方が多かった[66(25) vs 9(5)μL/g、P=0.001]。
・これらの結果から、ノルエピネフリンは術中低血圧に関連した微小循環の変化を回復させ、体液過剰を回避できることが示された。
ひこ
麻酔に伴う低血圧は、基本的には血管拡張による相対的循環血液量減少だから、補液よりは、血管を収縮させた方が理にかなっている。
【出典】
Comparing effects of intraoperative fluid and vasopressor infusion on intestinal microcirculation
Sci Rep. 2020 Nov 16;10(1):19856. doi: 10.1038/s41598-020-76983-6.
Comparing effects of intraoperative fluid and vasopressor infusion on intestinal microcirculation
Sci Rep. 2020 Nov 16;10(1):19856. doi: 10.1038/s41598-020-76983-6.
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