オフポンプ冠動脈バイパス手術における周術期の最低ヘモグロビン濃度と転帰-後ろ向きレビュー

ヘモグロビン濃度.png・最近のエビデンスでは、人工心肺を用いた心臓手術において、ヘモグロビン(Hb)値を約 7〜8g/dL に制限した輸血戦略の使用が提唱されている。しかし、人工心肺の補助なしで心臓脱転や温区域虚血再灌流損傷を伴うオフポンプ冠動脈バイパス(OPCAB)において、同じ閾値を適用できるかどうかは不明である。本研究の目的は、周術期最低 Hb 値と OPCAB 後の転帰との関係を調査することである。

・1,360 人の患者の診療記録をレビューした。手術中と術後に Hb 値を連続的に評価した。複合エンドポイントの発生率は 35% で、心筋梗塞、脳梗塞、急性腎障害、胸部感染、再手術、長時間の機械的人工呼吸、院内死亡が含まれた。

最低 Hb 値は、罹患群では非罹患群に比べて有意に低かった(8.1[7.4-9.1] vs 8.8[7.9-9.8]g/dL、P<0.001)。多変量ロジスティック回帰分析の結果、最低 Hb は有害転帰の独立危険因子であることが明らかになった(オッズ比:0.878、95% 信頼区間:0.776-0.994、P=0.04)が、術前貧血と周術期の輸血は有害転帰と関係していなかった。有害転帰を予測するための Hb の臨界値は 8.05 g/dL であった。

術中術後の最低 Hb 値と OPCAB 後の有害転帰との間には有意な関連があることが明らかになった。術前貧血は、それ自体は予後不良とは関連していないが、Hb 値と密接に関連した唯一の修正可能な危険因子であった。

心臓は酸素抽出率が最大の臓器であるから、貧血にもっとも脆弱な臓器である。

【出典】
Perioperative Nadir Hemoglobin Concentration and Outcome in Off-Pump Coronary Artery Bypass Surgery - A Retrospective Review
Circ J. 2020 Nov 21. doi: 10.1253/circj.CJ-20-0694. Online ahead of print.

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