膝関節全置換後の急性期入院期間の短縮:質改善に関する研究

TKA4.png・膝関節形成術(TKA)に対する包括支払いの導入により、病院はコストを最小限に抑えながらケアの質を向上させようとする動機付けがなされてきた。著者らの質向上プロジェクトの目的は、急性期入院期間を 2 日未満に短縮し、術後回復強化バンドルを使用して TKA 患者の入院リハビリテーションへの転出率を低下させることである。

・本研究ではビフォーアフターデザインを用いた。導入前の期間は 2017 年 1 月〜 12 月、導入後の期間は 2018 年 1 月〜 2019 年 8 月とした。根本原因分析は集学的チームによって行われ、迅速な回復と退院のための障壁を特定した。既存の独自のやり方、文献レビュー、実現可能性分析に基づいて、改善バンドルの一部として 4 つの新しい介入を選択した。(1)周術期末梢神経ブロック、(2)予防的制吐薬、(3)ルーチンの術前尿道カテーテル留置の回避、(4)術前の患者教育である。

・介入前群には 232 人、介入後群には 383 人の患者がそれぞれ含まれた。平均在院日数は 2.82 日から 2.13 日に減少した(P< 0.001)。入院リハビリテーションの必要性は、20.2% から 10.7% に減少した(P=0.002)。平均 24 時間経口モルヒネ消費量は 60mg から 38mg に減少した(P<0.001)。最初の 24 時間以内に中等度から重度の疼痛と術後嘔気嘔吐をきたした患者の割合は、それぞれ 25% と 15% 減少した(P<0.001)。退院後 30 日間の救急外来受診率は 12.9% から 7.3% に減少した(P=0.030)。

根本原因分析を行い、集学的、患者中心の術後回復強化バンドルを実施することにより、TKA 後の患者の回復における有意な改善が達成された。

よくある術式ごとに、入院を長引かせている要因を分析して、短縮するための方策を立てて、それらをまとめて回復機能強化バンドル(治療セット)として実践いけば、質の改善が得られる。

【出典】
Reducing Acute Hospitalization Length of Stay After Total Knee Arthroplasty: A Quality Improvement Study
J Arthroplasty. 2021 Mar;36(3):837-844. doi: 10.1016/j.arth.2020.09.054. Epub 2020 Oct 8.

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