高比重ブピバカインの投与量と母体の低血圧との関連: 脊椎麻酔で帝王切開を受けた 8226名の女性を対象とした後ろ向きデータベース研究

ブピバカイン.png・帝王切開分娩時の脊椎麻酔に低用量(≦8 mg)の高比重ブピバカインを使用すると、有効性が低下するが、副次的な結果として、脊椎麻酔による低血圧の頻度が減少することと関連していた。著者らの主な目的は、帝王切開分娩のための高比重ブピバカインの投与量と脊椎麻酔誘発性低血圧の発生との関係を調査することである。

・2012 年から 2018 年にかけて、単一の大学関連機関(三次と地方の 2 施設)において、高比重ブピバカインを用いた脊椎麻酔または脊椎麻酔併用による帝王切開分娩を対象とした後ろ向き研究データは、麻酔情報管理システム(Metavision, iMDsoft, Tel Aviv, Israel)および病院情報システムから取得し、潜在的な交絡因子、母体の年齢と体重、妊娠高血圧症、単胎/多胎、妊娠年齢、昇圧剤投与、予定手術/緊急手術、麻酔をかける際の体位(坐位/側臥位)、麻酔科医の経験年数などを含めた。脊椎麻酔誘発性低血圧は、収縮期血圧がベースラインから 20% 以上低下するか、100mmHg 未満と定義した。主要評価項目は、高比重ブピバカインの投与量に応じた脊椎麻酔誘発性低血圧症の発生率であった。ロジスティック回帰法を用いて、交絡因子を調整後、高比重ブピバカインの投与量と脊椎麻酔誘発性低血圧症の関連性を特徴づけた。

・合計 8226 名の女性が確認された。投与された高比重ブピバカインの用量は、2395 人(29.1%)が 9 mg 未満、1031人(12.5%)が 9-9.5 mg、4155 人(50.5%)が 10 mg、645 人(7.8%)が 10 mg 以上であった。主要評価項目の評価には、多変量ロジスティック回帰を用いたカットオフ(10mg 未満 vs 10mg 以上)を用いた。少なくとも一回の脊椎麻酔誘発性低血圧エピソードの発生率は、10 mg 以上の高比重ブピバカインを投与された患者で高く、75.8% であったのに対して、10 mg 未満の投与量では 62.9% であり有意差があった(P<0.0001)。しかしながら、より少ない投与量の女性でも低血圧を起こしていた。高比重ブピバカインの投与量が 10 mg 未満の場合、脊椎麻酔誘発性低血圧の発生率が低く、交絡因子を調整した調整オッズ比(OR)は 0.774、95% 信頼区間(CI)は 0.669-0.897、P=0.0006であった。臍帯血 pH は 2684 例(32.6%)で入手できた。高比重ブピバカインの投与量が 10mg 以上の女性(10.1%)と 10mg 未満の女性(6.8%)では、pH が 7.2 未満の新生児が有意に多かったが、調整モデルでは、高比重ブピバカインの投与量が 10mg 以上であっても pH<7.2 とは関連せず、OR=0.955(95%CI、0.631-1.446、P=0.829)であった。

・著者らの主要な知見は、低血圧は高比重ブピバカインの全用量で発生したが、脊髄低血圧の発生は、潜在的交絡因子の調整後、10 mg 以上の用量と有意に関連していたことである。
POINT高比重ブピバカインを 10mg 以上使用すると、低血圧の頻度が有意に増加するようだ。

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