胸腔鏡手術後の胸部傍脊椎ブロックと胸部硬膜外麻酔の鎮痛効果の比較 メタ分析

VATS2.png・現在までに、胸腔鏡下手術後の胸部硬膜外麻酔(TEA)と胸部傍脊椎ブロック(TPVB)の鎮痛効果と副作用について、決定的なエビデンスはない。本研究では、発表された無作為化臨床試験(RCT)のメタ解析を行い、胸腔鏡手術後の TEA と TPVB の鎮痛効果を解析した。

・PubMed、EMBASE、Cochrane library で 2020 年 10 月 26 日までに発表された RCT を系統的に検索し、胸腔鏡下手術後の TEA と TPVB の鎮痛効果を分析するためにメタ解析を行った。主要評価項目は術後疼痛スコア、副次評価項目は術後 24 時間のオピオイド使用量、低血圧、術後悪心嘔吐であった。

・本研究では、5 件の RCT から合計 458 名の患者を対象とした。胸腔鏡下手術後、安静時疼痛に対する NRS(数値評価尺度)スコアは、術後 1〜2 時間および 4〜6 時間に TPVB 群の方が TEA 群よりも高かった(MD=0.44, 95% CI=0.24〜0.64,P<0.0001, I2=0%; MD=0.47, 95% CI=0.23〜0.70,P<0.0001, I2=0%)。術後 24 時間のモルヒネ使用量は、TPVB 群の方が TEA 群よりも多かった(SMD=0.67、95%CI=0.03〜1.31、P=0.04、I2=84%)。低血圧の発生率は、 TPVB 群の方が TEA 群に比べて有意に低かった(OR=4.52; 95% CI=2.03 〜 10.10、P=0.0002; I2=0%)。術後悪心嘔吐(PONV)については、有意な群間差は認められなかった。

TPVB と比較して、TEA は胸腔鏡下手術後の短期的なメリットを統計的に有意に提供するが、臨床的には重要ではない。

やはり侵襲のより大きな開胸手術でこそ、胸部硬膜外麻酔が適当で、低侵襲な胸腔鏡下手術では、傍脊椎ブロックで十分なのだろう。

【出典】
The Analgesic Effects of Thoracic Paravertebral Block versus Thoracic Epidural Anesthesia After Thoracoscopic Surgery: A Meta-Analysis
J Pain Res. 2021 Mar 26;14:815-825. doi: 10.2147/JPR.S299595. eCollection 2021.

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