声門上気道器具を用いた短時間の小児腹腔鏡手術における筋弛緩の手術野への影響

腹腔鏡手術.png・筋弛緩を使用しない LMA ProSeal? ラリンジアルマスクエアウェイ(P-LMA;Teleflex 社)の使用は、短時間の小児腹腔鏡手術における気管挿管の安全な代替手段と考えられている。しかし、この麻酔法を用いた短時間の小児腹腔鏡手術の手術野を評価した研究はほとんどない。著者らは、P-LMA を用いた小児の腹腔鏡下鼡径ヘルニア手術において、筋弛緩の有ある場合と無い場合で、手術野条件を評価した。

・腹腔鏡下鼡径ヘルニア修復術を受ける 66 名の患者を、P-LMA を用いて、ロクロニウムを用いた筋弛緩(四連反応 1-2 回)を行う群と、筋弛緩を行わない群に無作為に割り付けた。全手術は同じ外科医によって行われ、術野条件は ライデン術野評価スケール(L-SRS)を用いて決定された。副次評価項目として、周術期データ、血行動態、有害事象などが含まれた。

筋弛緩を行った場合は、筋弛緩を行わなかった場合と比較して、手術野条件を改善した。L-SRS の平均(標準偏差)は、それぞれ4.1(0.5) vs 3.5(0.6)であった(P<0.0001)。筋弛緩群におけるロクロニウムの平均投与量は 12.7(4.4〜29.7)mg すなわち、0.7(0.6〜0.8)mg /kg であった。吹送圧最高値(Ppeak)は、筋弛緩なし群のほうが筋弛緩群よりも高かった:それぞれ平均(標準偏差)Ppeak 17.9(1.8)cm H2O vs 16.2(1.9)cm H2O、P=0.0004)。手術中および麻酔中に有害事象が発生したのは、筋弛緩なし群では 15 名(45.5%)であったのに対し、筋弛緩あり群では 4 名(12.1%)であった(P=0.006)。

短時間の小児腹腔鏡手術で LMA Proseal を使用した場合、筋弛緩は手術野条件を有意に改善し、手術中および麻酔中の有害事象の発生率を低下させた。

小児の腹腔鏡手術では、LMA 挿入には筋弛緩が必要なくても、術野を改善するために筋弛緩薬を使用した方がよさそうだ。

【出典】
Effect of neuromuscular block on surgical conditions during short-duration paediatric laparoscopic surgery involving a supraglottic airway
Br J Anaesth. 2021 Jun 16;S0007-0912(21)00304-4. doi: 10.1016/j.bja.2021.04.031. Online ahead of print.

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