帝王切開におけるロクロニウムとスキサメトニウムの手術条件:無作為化試験

<ハイライト>
・分娩に際しての筋弛緩の深さと手術条件を調査する研究。
・ロクロニウムは、胎児分娩の条件を有意に改善した。
・同様の合計時間で、ロクロニウムは切開から分娩までの時間を短縮する。

<要旨>
帝王切開手術.jpg・帝王切開でロクロニウム vs スキサメトニウム投与後の効果発現時間と挿管条件が評価されてきたが、これまで、これらの筋弛緩薬が手術条件に及ぼす影響や手術所要時間と胎児分娩の容易さにに及ぼす効果を調べた研究はない。著者らは、ロクロニウムによる深い筋弛緩を受けた妊婦と、スキサメトニウムによる導入を受けた妊婦とで、分娩の際の手術条件を比較することを目的とした。

・全身麻酔下に帝王切開を受ける 90 人の患者を無作為化して、気管挿管と分娩に際して、ロクロニウム 0.6 mg/kg か、またはスキサメトニウム 1 mg/kg を投与した。分娩までの時間と、1(不良)から 5(優良)までの 5 点の分娩時外科的評価尺度(SRSD)を使用して、手術条件の質を評価した。

SRSD(範囲)の中央値は、ロクロニウム群で有意に優れていることが分かった[4(3-5)点 vs スキサメトニウム 3(2-4)点(P<0.001)]。麻酔導入から挿管までの時間間隔の平均(SD)は、ロクロニウムの方が長かった[106(34)秒 vs スキサメトニウムで 68(32)秒(95%CI 24-52 秒、、P<0.001)]が、執刀から分娩までの時間間隔は、ロクロニウム群の方が短かった[147(68)秒 vs スキサメトニウムで 196(51)秒(95%CI -75〜24 秒、P<0.001)]。導入から娩出までの平均時間間隔は同様であった[それぞれ 268(73)秒 vs 276(63)秒]。

・麻酔d導入から分娩まで時間は同程度であったが、著者らは、胎児娩出に際しての良好な術野条件を可能にし、容易な分娩と執刀から娩出までの時間を短縮できる点で、ロクロニウムの方がスキサメトニウムよりも優れていることを明らかにした。
POINT全身麻酔による帝王切開分娩では、スキサメトニウムよりもロクロニウムの方が、胎児娩出が容易で、執刀から娩出までの時間を短縮できる。
【出典】
Surgical conditions with rocuronium versus suxamethonium in cesarean section: a randomized trial
International Journal of Obstetric Anesthesia ? Blaha J, Noskova P, Hlinecka K, et al. August 26, 2019

memo

Surgical Rating Scale for Delivery (SRS;分娩時外科的評価尺度)
1-不良
2-普通以下
3-普通
4-普通以上
5-優良

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