■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2021/05/06

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【問題1】(体液・電解質) 電解質について正しいのはどれか?

ア:アジソン病で見られる低ナトリウム血症では細胞外液は過剰である。

イ:重曹の過剰投与で見られる高ナトリウム血症では、ナトリウムは過剰である。

ウ:経尿道的前立腺切除術では、灌流液の吸収により低ナトリウム血症をきたすことがある。

エ:うっ血性心不全で見られる低ナトリウム血症では、細胞外液は過剰である。

オ:多飲症で見られる低ナトリウム血症では、細胞外液量は正常である。


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[解説] ア:×:尿細管障害、アジソン病、利尿薬の投与、嘔吐・下痢で見られる低ナトリウム血症では細胞外液は不足している。
イ:○:重曹の過剰投与で見られる高ナトリウム血症では、ナトリウムは過剰である。
ウ:○:経尿道的前立腺切除術では、灌流液の吸収により低ナトリウム血症をきたすことがある。
エ:○:うっ血性心不全、肝硬変、ネフローゼ症候群で見られる低ナトリウム血症では、細胞外液は過剰である。
オ:○:SIADH、甲状腺機能低下症、ACTH単独欠損症、多飲症で見られる低ナトリウム血症では、細胞外液量は正常である。



[正解] 解説を参照 [出典] 麻酔科シークレット第2版 p28-32




【問題2】(中枢神経) 真菌性の髄膜炎を疑う場合に抗真菌剤としてどれを選ぶか?
1) フロリードF(ミコナゾール)
3) アンコチル(フルシトシン)
5) イトリゾール(イラコナソ゛ールト)
2) ファンギゾン(アンホテリシンB)
4) ジフルカン(フルコナソ゛ール)


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[解説] 真菌性髄膜炎はクリプトコッカスによるものが大部分で、宿主の免疫能が低下した場合が多い。墨汁染色で菌体を検出するのが有用である。フルコナゾールは副作用が少なく、髄液移行がよい点で第一選択となってきている。フルコナゾール(ジフルカン)100〜400mg1日1回経口投与または点滴静注.AMPH−Bは1mg/日から開始し、漸増していく。静注投与では悪寒、発熱、過敏症状、血圧低下などを生じる。AMPH−B(ファンギゾン)0.3mg/kg/日+5−FC(アンコチル)150mg/kg/日


[正解] 4 [出典] 内科レジデント実践マニュアルP205



【問題3】(呼吸) 次のうち誤っているのはどれか。

ア:鼻腔内の繊毛上皮は粘液を咽頭に向かって送っている。

イ:気管の繊毛上皮は粘液を喉頭に向かって送っている。

ウ:気道の杯細胞の粘液産生は1日500mlに及ぶ。

エ:人工呼吸に際し加温加湿器を使用すれば、肺から水分は奪われない。

オ:ISOでは加湿器の絶対湿度は30mg/l以上あることとしている。


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[解説] 鼻腔内の繊毛上皮は10〜20Hzでムチのように動きながら、1cm/minの速度で粘液を咽頭に向かって送っている。喉頭以下の気道では、繊毛は逆に喉頭に向かって送って動く。気道の杯細胞の粘液産生は1日500mlに及ぶ。鼻孔の入口には繊毛がないので、その位置に鼻糞が溜まる。肺胞での湿度は37度100%で、44mg/lの水分を含むので、人工呼吸に際し、加温加湿器を使用しても、吸気が44ml/l以上の水分を含まない限り、最終的には肺から水分が奪われる。ISOでは挿管患者の加湿器の絶対湿度は30mg/l以上あればよいことになっている。


[正解] (エ) [出典] LiSA Vol2-No5-p40(1995)



【問題4】(換気刺激) Hypoxic ventilatory drive について正しいのはどれか。

ア:混合静脈血の低酸素は、hypoxic ventilatory drive を亢進させる。

イ:貧血による酸素含量の低下は、hypoxic ventilatory drive を亢進させない。

ウ:ドパミンは頚動脈小体の抑制系の化学伝達物質であり、hypoxic ventilatory drive を抑制する。

エ:健常人ではPaO2≦80mmHgで、hypoxic ventilatory drive が著明に促進される。

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[解説] PaO2低下に反応する受容体は大動脈小体及び頚動脈小体(末梢化学受容体)に存在するので、混合静脈血だけの低酸素では換気は刺激されない。頚動脈体化学受容器はPaO2低下、PaCO2上昇、H+増加、血流量の減少に反応するが、酸素含有量には反応せず、貧血やCO中毒では過換気は起こらない。逆にPaO2が低い高地では酸素含有量が正常でも過換気が起こる。吸気中酸素濃度が12%以下に低下し、PaO2が50〜60%に低下するまでは、吸気中酸素濃度低下は換気を刺激しない。頚動脈化学受容体の活動は、ノルエピネフリン・エピネフリンにより刺激、ドパミンで抑制される。


[正解] (イ)、(ウ) [出典] 第30回麻酔指導医認定筆記試験:B2

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