《レビュー》 トラネキサム酸と腹部腫瘍

トラネキサム酸2.png当ブログでこれまでに紹介した、腹部腫瘍とトラネキサム酸に関連した文献をまとめて紹介する。

1.進行卵巣癌手術でのトラネキサム酸単回投与は出血量と輸血を減少させる: 二重盲式対照無作為多施設研究
トラネキサム酸(15 mg/kg 体重、n=50)か、同量プラセボ(0.9% NaCl、n=50)投与のいずれかに無作為化。進行卵巣癌手術で、術直前に投与した単回トラネキサム酸は、有意に出血量と輸血割合を減少させる。総出血量の中央値は、トラネキサム酸群とプラセボ群で、それぞれ 520mL vs 730mL(p=0.03)、輸血は、それぞれ 15 人(30%)vs 22 人(44 %)であった(オッズ比 0.44、p=0.02)。

2.良性子宮摘出術における予防トラネキサム酸の抗出血効果 - 二重盲式無作為化プラセボ対照試験
手術開始時にトラネキサム酸 1g か、プラセボの静脈内投与のいずれかに無作為化。トラネキサム酸による予防治療は、良性子宮摘出に際して、総出血量、大出血事例、術後出血による再手術の必要性の減少させる。

3.多発性筋腫患者における筋腫摘出術関連出血量に及ぼすトラネキサム酸の有効性: 無作為化臨床試験
対照群(677mL)と比較して、トラネキサム酸群(407 mL)の方が、出血量が少なく(P<0.01)、術中出血の危険性を 40% 減少させた。トラネキサム酸は、多発性子宮筋腫患者で筋腫摘出術中と術後の出血量を減少させる。

4.腹部腫瘍手術における出血量を減らすためのトラネキサム酸の単回静脈内ボーラス投与と周術期持続注入の比較
トラネキサム酸は、腹部腫瘍手術において、単回静脈内ボーラス(10mg/kg)の使用と比較して、ボーラス投与(10 mg/kg)と術後 4 時間まで持続注入(1 mg/kg/h)した場合、術後出血量をより効果的に減少させた。

[!]:子宮筋腫、卵巣腫瘍など腹部腫瘍手術で、トラネキサム酸の投与は出血量を 30~40% 減少させる。単回ボーラス投与だけよりも、術後にかけて持続投与した方が効果的なようだ。

"《レビュー》 トラネキサム酸と腹部腫瘍" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント